信頼

お客様のもとへ足を運び、商談を重ねる販売担当と世界各地からさまざまな原料を仕入れる調達担当。
2つの仕事がそれぞれどんな役割を担い、関わり合っているのか。
社内でも仲が良いと評判の2人の会話を聞いてみました。

営業
RIKITAKE
  • NAME:
    力武
  • OCCUPATION:
    (調達
  • DEPARTMENT:
    水産事業本部 水産第3部 水産第2課
  • JOINED YEAR:
    2010年 入社
*内容は取材当時のものです。
営業
SATO
  • NAME:
    佐藤
  • OCCUPATION:
    (販売
  • DEPARTMENT:
    東京支社 水産部 水産第3課
  • JOINED YEAR:
    2005年 入社
*内容は取材当時のものです。
TOPIC
お互の仕事ついて
人と

こんなに改まって話すとなんか緊張しますね。

そうだね。力武くんとコミュニケーションを取らない日はないからね。

私が別の支社を訪問している時もメールでは連絡を取っていますからね(笑)今日は本社支社対談ということで、本社の調達担当と支社の販売担当が普段どのように関わっているのか、私たちの関係性を通して知ってもらいたいと思います。よろしくお願いします。

よろしく!それでは、最初にお互いにどんな仕事をしているのか話そうか。力武くんは、基本的に私を含め、支社の販売担当者が売るためのエビを海外から仕入れる仕事だよね?

はい。さまざまな商品が展開されているエビの中でも、私と佐藤さんがメインで扱っているのは「伸ばしエビ(筋を切り、背わたを取ってまっすぐに伸ばした加工済のエビのこと。フライや天ぷら用としての用途がある)」という商品で、産地であるベトナムやインドネシアから買い付けて、国内の支社や海外の現地法人に供給する役割を担っています。基本的に加工までは産地の工場で行うので、「伸ばしエビ」と呼ばれる状態まで加工したものを調達することが多いですね。

「伸ばしエビ」は使い勝手が良くて、調理も簡単だから、需要は高いよね。実際に、私が販売するお客様もそば屋やうどん屋、レストランといった外食産業から、スーパーやドラッグストアといった量販店、学校給食や産業給食など多岐にわたっている。「伸ばしエビ」以外にもさらに加工度が高い「エビフライ」や「エビ天ぷら」の需要も伸びているよね?

そうですね。今までは「伸ばしエビ」を調達することが大半でしたけど、最近では衣をつけるところまで加工した商品や、お客様先で調理をしなくても良い状態の商品が求められることも増えてきました。そうした需要の背景には、人手不足のために調理の簡便性が重視されていることや、油や光熱費が高騰していることがあります。私たちのやりとりは、扱う商品によって変わりますよね?

うん。極洋のオリジナル商品の場合は、私を含む各支社の販売担当から力武くんに必要な数量を伝え、本社はそれを参考に今後の需給予測をした上でまとめて買い付けをしているね。一方で、オーダーメイド商品の場合は、販売担当がお客様から必要な商品に関するニーズをヒアリングして、それをもとに力武くんと提案内容を考えて、商談に臨むという流れだね。

正直、佐藤さんはもともと本社で調達を経験されていたので、一人で対応できてしまうことも多いのではないですか?

たしかに他の販売担当と比べると、海外でどういう加工を、どれくらいまでできるかという知識はあるね。でも、お客様は最新の仕入れ情報を求めていることが多いから、そんな時は力武くんに商談に同席してもらうようにしているんだ。

たしかに、相場感に関する質問が来た時は、調達担当が直接説明した方が正確ですからね。

TOPIC
お互の第一印象
第一印象いっ

力武くんとは、割と長い付き合いだけど、最初に会ったのは、私が本社で調達担当をしていて、力武くんが大阪支社で販売担当をしていた時だよね?

そうです。今とは真逆の立場でしたね。実際に直接会うまでは、私から電話で商品に関する質問をしたり、見積もりを相談したりすることが多かったと思います。電話でやりとりしていた時に感じていた雰囲気と会った時の印象が違って、かなり驚きました(笑)

どんな風に違った?

電話だと丁寧で優しそうな印象でしたが、実際に会ってみると、正直少し怖そうだなと思いました(笑)けれど、取引先へ同行訪問をしていて、お客様のニーズに寄り添う姿勢や、海外産地の情報を丁寧に説明する姿を見て、やっぱり優しい人なんだと再認識しました。

誤解が解けて良かったよ。力武くんとコミュニケーションを取っていて感じたのは、話し手が意図することを理解する能力が高いということかな。力武くんとの連絡はとてもスムーズに進むから、仕事がしやすい。

それは佐藤さんの説明が上手いからだと思いますよ。

いや、そんなことないよ。一度調達担当の先輩と一緒に、本社の調達力を向上させるために支社にいる販売担当を一人本社に呼ぼうという話になったことがあったんだ。その時に真っ先に名前が挙がったのが、力武くんだったよ。調達担当は、支社や海外の仕入れ先など関係先が多いから、冷静に本質を見抜ける力武くんみたいな人材が最適だと思ったんだ。

そんな話があったことは全く知らなかったですけど、素直に嬉しいです。実際に調達担当になったのは、その影響かもしれませんね。

あと、今でも感じるけど、当時から電話とメールの温度差が激しいよね(笑)電話だと明るくて聞き分けの良い感じなのに、メールだとすごく淡々としている印象がある。

それは自覚しています。どうしてもメールだと事実や決定事項の共有になってしまって……。もう少しメールの文面も改善するようにします!

TOPIC
印象に
提案大型案件

佐藤さんとは色々なプロジェクトでご一緒させていただいていますけど、今までで何か印象的だったものはありましたか?

個人的には、2020年に行った大手外食チェーン店に向けた提案が印象に残っているな。そのお客様はたしか天ぷらに使用するための伸ばしエビを探していたよね。商談が決まれば、億単位の売り上げになる大型の提案だったから、力武くんとはかなり密にコミュニケーションを取っていた記憶がある。

あの提案は僕にとっても忘れられない経験です。お客様のニーズは明確でしたが、大手の外食チェーン店ということもあり、膨大な数量のエビが要求されましたから。大型の提案ということもあって、2人でお客様のもとに通い詰めましたね。

競合他社も営業に来ていたから、まずは案件を受注することを第一に考えて、何度もお客様先に足を運び、ニーズを探ることにしたんだよな。

訪問を重ねるにつれて、競合他社が提示している条件は見当がついていったんですよね。そこから「この条件で精一杯頑張ろう」と具体的に打ち合わせで決めて、提案に臨みました。

そうそう。だけど、プレゼンの時の空気感で事前に定めた条件からもう少し踏み込めば受注できるかもと思ったんだよ。事前の打ち合わせ内容とは違ったけど、「受注するためには方向性を変えるしかない」と思って、その条件で提案することにしたんだ。急な方向転換に不意をつかれた力武くんが、お客様の前でひっくり返るほど大袈裟なリアクションをしていたよね(笑)

あれは本当にびっくりしました。佐藤さんの口から全く予想していなかった条件が出たので、「あれ?話し合った条件は?」と驚きました。けれど、まだ買い付けをしていない段階だったので、提案が終わった時には「やるしかない」という想いに切り変わっていましたよ。

「この条件で決めにいくしかない」という販売担当ならではの勘があったんだ。あとは「絶対に力武くんなら調達の段階でなんとかしてくれる」っていう信頼が背中を押してくれたと思っているよ。その後、実際に受注が決まったしね。

信頼してもらえるのは嬉しいですけど、受注した後は相当大変でしたよ。少しでも仕入れ先の海外工場に条件面で融通を利かせてもらうために、大手のお客様に販売するメリットを必死に伝えて、交渉に奔走しました。結果的に、工場側のサポートもあって、乗り越えることができましたが、受注した当初はどうなるのか不安で一杯でした。

あの受注をきっかけにお客様からの発注も増えたから結果オーライってことで(笑)お客様は提案時の力武くんの反応が今でも演技だと思っているらしくて、お客様と飲みに行くと「極洋さんは演技派だからな」と毎回言われるよ。

TOPIC
今後の目標
日本の極洋世界の極洋

力武くんとは、正直良い関係性で仕事ができているなと思っているから今後もこの関係性を続けていきたいな。何か調達担当として、今後の目標はある?

30年後も変わらず販売され続けるような、新しい定番商品をつくることが目標ですね。今、私たちが担当している「伸ばしエビ」も開発当初は使用用途が限定されていたので、否定的な意見も多かったと聞きます。けれど、今では当社のビジネスを支える主力アイテムとなっているので、そうしたビジネスの中核を担う商品を開発したいですね。

水産事業は、食品事業と比べて扱う商品が原料に近い状態のものが多いから、新しい商品を開発するのは簡単ではないよね。

そうですね。しかし、挑戦しないことには始まらないと思うので、各支社から共有してもらったお客様のニーズをもとにチャレンジしていきたいと思っています!販売担当として、佐藤さんはいかがですか?

お客様のあらゆるニーズに寄り添える販売担当になることが目標だね。衣類や化粧品のように、食料品も今後高級品と価格重視品の二極化が加速していくと思うんだ。そんな中で、どちらのニーズにも対応できるように、力武くんを始めとした調達担当としっかりと連携を図りながら、提案内容を検討していきたい。

今後さらに売上を伸ばすためには、会社としても、エビ担当としても国内だけでなく、グローバルに戦える組織になることが重要ですよね?

うん。今、「伸ばしエビ」の販売の大半が国内向け。だけど、今後国内の人口が減少していくことを考えると、需要が高い海外向けの販売が必要不可欠だよね。これまで培ってきた加工技術や品質の高さを海外にもアピールすることで、「日本の極洋」から「世界の極洋」へと会社を成長させたいな。

一緒にその目標を実現させましょう!佐藤さんは普段から先輩後輩という関係ではなく、同僚として私の意見や考えを受け入れてくださるので、いつも伸び伸びと仕事ができています。これからもご迷惑をおかけすることもあると思いますが、引き続きよろしくお願いします。

お互いが意見を言い合えるような関係性が良いと思っているからね。力武くんも気づけばもうエビ事業を牽引する存在。これからもお客様のニーズや水産・食品業界を取り巻く環境は変化していくと思うけど、お互いに力を合わせて頑張ろう!