養殖
MATSUDA
  • NAME:
    松田
  • OCCUPATION:
    (調達
  • DEPARTMENT:
    関係会社出向
  • JOINED YEAR:
    2019年 入社
  • *内容は取材当時のものです。

魚が少なくニュース人生を変

高校生の時にマグロやウナギが少なくなり、将来的に食べられなくなるかもしれないというニュースを聞いたことで、養殖に興味を持ちました。幼い頃から魚図鑑を見たり、水族館に通ったりと魚のことが好きで、将来は魚に関わる仕事がしたいと思っていたのです。同じ時期に、マグロの完全養殖に成功した大学があることを知り、進学先を決定。大学ではマグロやハマチなど、さまざまな魚の養殖について学びました。就職活動では水産会社を志望し、自分が商品を食べておいしいと思った企業を受けることに。当初は営業職でしか就職は難しいと思っていました。しかし、極洋の面接で「養殖に興味はないか?」と言ってもらったことで、やはり大学で学んでいた好きな分野に携わりたいと思い、入社を決めました。

消費者場と営業をつ仕事

入社後は関係会社へ出向し、愛媛県の養殖場でマグロの養殖とスマ(※本文下部に特徴を記載)の完全養殖に携わっています。水温や気候などのデータを見ながら魚への給餌量を管理したり、飼料の買い付けをしたりするのが主な業務。また、「何十キロのマグロを、何尾」といった依頼を取りまとめ、現場の人たちと一緒に生け簀から釣り上げ、各拠点に出荷することも重要な仕事です。さらに、食品安全規制の申請書の作成など、日々さまざまな業務に取り組んでいます。仕事で大切にしているのは、養殖の現場と販売担当のつなぎ役となること。販売担当からはより大きな魚を求められますが、現場としては個体差に関係なく売ってほしいという思いがあります。また、1日に釣る魚の量が急に増えると現場に負担がかかるので、交渉しながら適正な販売と業務量を維持できるように調整しています。

大学で学んでいたとは言え、商業ベースでのマグロの養殖はひと筋縄ではいきません。できるだけ早く大きく育てたり、一定の尾数を確保したりするのは想像以上に大変でした。その難しさを痛感したのは1年目の頃、マグロの幼魚が病気にかかった時のこと。病気になった原因の判別が難しく、薬を飼料に混ぜる処置が遅れてしまったのです。その結果、生け簀にいた幼魚を斃死させてしまいました。マグロは、少しの環境の変化でも影響を受けてしまう魚です。養殖の難しさを実感した経験でした。残念ながら、今でも原因が分からず出荷サイズまで育たないマグロはいます。その対策として、水温や気候の変化、給餌量などのデータを常に記録するとともに、実際に海に潜り、自分の目でマグロの体調を確認することも大切にしています。

一緒に

マグロが出荷サイズまで育つには、数年の歳月を要します。さまざまな苦労を乗り越えて、自信を持って出荷できるように育てたマグロが「おいしい」と言ってもらえると、やっぱり嬉しいですね。直接、食べる人の声を聞く機会はめったにありませんが、家族や友人たちから回転寿司で自分が育てたマグロを食べたと連絡をもらったり、SNSで評判になっているのを見たりすると、本当にこの仕事をしていて良かったと感じます。そうした声をもっと聞けるように、現場の人たちと一体となって日々、マグロと向き合っていきたいですね。また、海洋環境の変化やマグロに関して集めたデータを分析し、これからの養殖技術の向上に役立てる体制をしっかり整えていくことも、出向社員として現場で働いている私の役割だと思っています。

完全養殖事業

2017年から当社では愛媛大学と県、町、地元漁協との産官学連携で「媛スマ」というブランドのスマを生産しています。スマは良質な脂を蓄えており、マグロに近い味と言われる魚です。スマもまた育成が難しく、マグロ同様に苦労することばかり。生産者それぞれで異なる失敗の仕方をするため、さまざまなデータを共有し合って、問題の解決に努めています。スマは半年ほどで出荷できるサイズに育ち、マグロよりも低コスト。さらに今は需要も高いので、この機会を逃すわけにはいきません。産官学が共同で取り組むこの事業が、今後の極洋にとってターニングポイントになる。そう信じて、絶対に成功させたいと考えています。マグロの養殖やスマの完全養殖に携われるのは、本当に嬉しいことです。だからこそ、将来は完全養殖の魚が日本中いつでも食べられるように、これからも事業に貢献していきたいと思います。

COLUMN

私の強み

「魚が好き」という気持ちだと思います。最近はマグロの顔を見て、どんな気持ちか分かるようになった気がするほどです。魚もそれぞれ表情が違いますし、その日によって緊張したりリラックスしたりしています。日々、魚たちと向き合いながら、「なぜ?」「どうしたら上手くいくか」を考えるのはとても楽しいですね。

養殖完全養殖の魅力

天然魚と養殖魚の違いは、赤身だと言われています。養殖魚は飼料によって脂乗りを良くできるからです。私たちが育てる魚は、脂乗りと赤身のバランスが良く、他の養殖魚と比べて赤身がおいしいと思っています。バイヤーの方々からも赤身について評価してもらっているので、ぜひ一度食べてほしいです。

ONE DAY SCHEDULE
7:30
業務開始

朝一で現場ミーティングを行い、作業を確認。前日に釣って冷やしておいたマグロの出荷業務を行います。

10:00
上げ

次の日に送るマグロを釣り上げます。行き先によって求められるマグロが違うので、一尾ずつ検品します。

12:00

先輩社員の奥さんが、健康を心配してお弁当をつくってくれます。皆が優しい職場で、ありがたいですね。

13:00
事務作業

食品安全規制や船の補助金、マグロの保険などの各種申請書を作成します。

15:00
育・出荷販売管理

給餌量や飼育管理のデータを入力。また、マグロをどこに出荷したかもデータで管理します。

16:30
退社

退社後は先輩社員たちと近くの港で夜釣りを楽しみます。最近はイカ釣りにはまっています。