キョクヨー RECRUIT INFORMATION

特集

新商品開発プロジェクトストーリー 食の現場に、そして社内にも変化をもたらした「だんどり上手」シリーズの誕生。

給食事業者や量販店の総菜売り場などの調理現場では、手間のかかる魚の調理を効率化したいとの声が高まっています。こうしたニーズに応えるべく、極洋が“魚のプロ”ならではの技術とノウハウを活かして開発したのが、業務用冷凍食品「だんどり上手」シリーズです。あらかじめ骨や皮を取り除いたり、打ち粉を付けたりと、誰もが“だんどりよく”調理いただける工夫に加え、冷凍したままでも調理できる手軽さ、魚本来のジューシーな味わいなどが、調理現場はもちろん消費者からも好評を博しています。
この“手軽さと美味しさ”を両立させた食品は、人手不足が叫ばれている介護施設や病院などでも需要が高まっています。そこで極洋は、高齢者をはじめとした嚥下障害をお持ちの方を対象にしたムース食ややわらか食をシリーズに加え、2019年春から販売しています。魚の美味しさをより多くの人に――私たちの挑戦は、まだまだ続いています。

「だんどり上手」シリーズ

PHASE1 開発1〜困難な開発テーマに挑む。

市場のニーズに応えるため、培った知見を活かして難題に取り組む。 商品開発本部研究所

他社にはない、極洋ならではの製品を生み出すために。

2010年の春、「だんどり上手」シリーズの主力となる骨なし切り身の製法開発を依頼された私は、その後の苦戦を予感していました。与えられた2つのテーマが、いずれも非常に高いハードルと思われたからです。一つは、調理現場での解凍の手間や時間を省けるよう「凍ったままでも調理できること」。もう一つは、既存の冷凍食品に対する不満を改善するため「ジューシーな食感を実現すること」でした。しかし、先行する他社製品との差別化を図るため、そしておいしい魚をもっと手軽に食べたいという消費者のニーズに応えるためには、いかに困難な課題であろうと乗り越えなければなりません。「これまで培った知見やノウハウを総動員すれば必ず解決できるはず」との想いを胸に、私は開発に着手しました。

その価値をさらに高めるため、技術者の挑戦に終わりはない。

「加熱しても固くならないようにするためには…」「旨みを損なうことなく生臭さを取るには…」――1年にわたる試行錯誤の末、ついにさまざまな課題をクリアする独自の製法を編み出すことができました。しかし、喜んでいる暇はありませんでした。豊富なラインアップを実現するため、多様な魚種それぞれについて最適な加工法を調整しなければならなかったからです。同時に、独自製法の特許取得への手続きも必要でした。2012年夏、ようやく事業化への道筋を整えることができましたが、それで仕事が終わったわけではありません。加工現場への指導、販売後の評価を踏まえた改良。やるべきことはまだまだありますが、それらをクリアするたびに、また一歩、理想の商品づくりに近づいている自分を実感しています。

PHASE1 開発イメージ
Column

水産業界で話題沸騰。極洋初のマスコット「だんどり〜にゃ」

「だんどり上手」は、さまざまな面で"極洋初"を生み出したが、なかでも象徴的なのが、極洋のみならず水産業界でも注目の的となった、マスコット「だんどり〜にゃ」だ。猫の手も借りたい現場で頼りになる猫侍という設定だが、実は女性社員の落書きから誕生したもの。それが、今やカタログやWebサイト、各種イベントで大活躍しているのも、極洋らしさといえるだろう。そのインパクトは絶大で、「だんどり上手」の認知度向上に大きく寄与しており、販売スタッフから「自分は覚えてもらえなくても『だんどり〜にゃ』で覚えてもらえる」との声が上がるほどだという。

だんどり〜にゃ
CLOSE

PHASE2 開発2〜未知の分野へ、挑戦を続ける。。

「だんどり上手」の良さを活かして、病院・介護施設のお役に立ちたい。 業務食品本部 業務食品第1部 業務食品第1課(旧 水産冷凍食品部 水産冷凍食品第2課(撮影当時))

自らの足で情報収集し、開発の糸口を掴む

「だんどり上手」シリーズが提供する“魚の美味しさを手軽に味わえる”という価値は、人手不足でお悩みの介護施設や病院でもお役に立てる――こうした考えのもと、2017年に「だんどり上手」シリーズのムース食とやわらか食の開発をスタートしました。しかし、当時の私には戸惑いもありました。というのも、これまで当社には医療・介護分野の知識も経験もなかったからです。一方で、このプロジェクトが持つ社会的意義にはやりがいを感じていたため、とにかく「医療・介護に求められる食を知ることからだ」と、情報収集に着手しました。国立国会図書館で関連書物を読みふけったほか、嚥下食を専門とする歯科医師に飛び込みで話を聞きに行ったり、高齢者向け食材の展示会で流動食を実食したり、介護施設や病院を訪問して調理現場や高齢者の方のお食事を見学するなど、半年にわたってさまざまな情報を収集した結果、ようやく開発の糸口が見えてきました。

さまざまな知恵を出し合うことで、喫食者にも調理現場にもお役に立てる製品が完成

リサーチを通じてわかったことは、「口から摂取できる」ことが一番重要なポイントであるということです。口から摂取できることが、食事した実感、つまり“食の楽しさ”につながるのです。そこで、開発において注力したのが「摂食・嚥下における安全性の担保」と「味の再現」でした。口から摂取する以上、おいしくないといけない。それと同時に安全でないといけない。この両立に加えて、開発を苦労させたのが「だんどり上手」シリーズが持つ“調理の簡便性”をも実現することでした。商品開発部に加えて、販売支社のスタッフも開発プロジェクトに加わり、一緒に介護現場に足を運ぶなどして常に情報を共有することで、さまざまな観点から知恵を出し合い、完成にこぎつけました。この商品が、嚥下障害によって食を楽しむことを諦めていた人や人手不足で多忙を極めておられる調理現場の方の、お役に立てればいいなと願っています。

PHASE2 事業化イメージ
CLOSE

PHASE3 販促 消費者目線で考え、行動する。

病院・介護施設の実情を知るからこそ、早期に販路を拡大したい。 東京支社 業務食品部 業務食品第1課(旧 東京支社 冷凍食品部 冷凍食品第1課(撮影当時))

調理現場が抱える課題を捉え、市場参入の突破口を探る

「ムース食」と「やわらか食」の完成を受けて、今度は私たちが新商品の販売チャネルをつくっていく番でした。しかし、当初は大きな壁が立ちはだかっていました。嚥下食のマーケットはすでに築かれた市場で、調理の簡便性という特徴を持っていても容易に参入できなかったのです。しかも、嚥下食市場で1品を定着させるまでには3年かかるともいわれていました。その背景には、調理現場の人手不足があります。介護施設によっては、献立を立てる栄養士が調理も配膳もすると聞いたこともあります。そのため、すでに慣れている調理現場のオペレーションを変えるのが難しいというのです。
そこで私たちは単純に商品をご紹介するのではなく、「シリーズが持つ調理の簡便性を活かして、調理現場のお役に立てることはないか」という視点で考えたのが、1ヵ月分の朝食メニューを提案するという案です。なぜ朝食かというと、朝は一番人手が足りないという情報を得ていたからです。この提案が現場ニーズを捉え、商品に興味を示していただけるようになり、徐々に採用いただける施設が増えてきました。

より多くの病院・介護施設に届けるための販売スタイルを早期に確立したい

嚥下障害のために食を楽しむことができない方や調理現場の人手不足によって苦労されている方はまだ大勢いらっしゃいますし、今後もさらに増えていくと思われます。こうした状況に少しでもお役に立てるように、「だんどり上手」のムース食とやわらか食を取り入れていただける病院・介護施設をいっそう増やしていかなければなりません。
そのためには、もっともっと営業スピードを上げていかなければなりません。朝食メニューの提案は多くの方々に受け入れていただきましたが、ひとつの成功体験に固執することなく、別の観点から営業スタイルを探求していきたいと考えています。より多くの病院・介護施設に「だんどり上手」のムース食・やわらか食をお届けするために、新しいテーマにチャレンジしていきます。

PHASE3 販促イメージ
CLOSE